「輪違屋糸里」を読みました

  • 2008/12/03(水) 11:22:28

この間、浅田次郎の本を読みました。

有名なこちらの本ですよ〜^^




輪違屋糸里
浅田次郎著/文春文庫






本当は刊行されたときにすぐ読むつもりでしたが、

機会を逃してしまい、そうこうしているうちにドラマ化され、

テレビで見るほうが先になってしまいました




私みたいに、テレビの「輪違屋糸里」

先に観た方も多いでしょうね。




でもあのドラマ、

チョッと納得いかないところがありませんでした?



そのときの過去記事
⇒ 「輪違屋糸里」の感想



なぜ糸里は土方の言いなりになっているのか。

なぜ土方は、あんなにイヤな奴なのか…




小説だからどんな風に描いてもOKですけど、

それにしても突っ込む部分が多すぎる




そんな風にドラマを振り返りながら、

これは一度原作を読んだほうがいいかもしれない…

なんて思っていました。





そこで、本を購入。

じっくりと原作を味わってみたのです。




読んでみて感じたのは、

「文庫本2冊の内容を4、5時間のドラマにするには、

 やはり説明不足の部分があるのはしょうがないか」


ということでした。





糸里や土方の心情を知るには、

ドラマでは希薄だったその背景の部分も

しっかり掌握したほうがわかり易いようです





さて、この小説の主人公、輪違屋の糸里は、

史実では芹沢鴨暗殺の夜、平間重助の相方として

その場に居合わせた女性です。





暗殺の場から逃げ出せたそうですけど、

歴史に登場するのは、後にも先にも

その場面だけですよね





でもこの小説では、糸里は若狭の生まれになっていて、

そこから買われて京に上り、輪違屋に来たことになっています。

そこで血の滲むような芸の稽古をして、天神になった糸里から

物語の本筋に入っていきます。





そして音羽太夫の話へと続くところは

ドラマと一緒です

でも音羽太夫の事件も、

実は裏があるように原作には書かれています。






糸里は土方の言いなりになるなど、

周りに翻弄されているようにみえますが、

彼女の境遇と性格とがあいまって

実はけっこう芯のしっかりした女性になっています。





反対に、本人も周囲もしっかりしているように見えて

実際にはすべてのものに翻弄され、

流されてしまうのは、お梅ですね〜。

ドラマでもその場面はありましたよね。





でも原作の方が、もっと話的には残酷で、

糸里との対比がはっきりしている分

より一層の哀れさを感じずにはいられません。





他にも、ここでは菱屋の主人と姉弟の設定となっていて

複雑な因縁を持っている前川家の夫人お勝や、

八木家の夫人おまさ
の思いも、具体的に書かれており、

物語に深みを添えているのです。





それらの登場人物たちが、

それぞれの思いを抱えながら、

芹沢鴨暗殺の夜を迎えるわけですね。


(斎藤一と永倉新八との対峙もなかなか面白い^^)






土方がイヤな奴だった理由も、原作でわかります。

(納得するかは別ですけど^^;)





ところで、

浅田次郎の新選組物語の書き方には特徴があります。





作者の目線から話を進めていくという

第三者的な視点の書き方と、

永倉新八や吉栄(平山五郎の恋人)、土方歳三らが

自ら語るという、一人称の書き方を取りまぜた

少し趣向の変わった方法です。





あの有名な浅田次郎の小説「壬生義士伝」でも

同様な書き方をしていましたよね。





じつはこれには理由があるらしくて、

「新選組始末記」や「新選組異聞」を書いた

子母沢寛
をあえて意識して取り入れたという、

「聞き書き」スタイル
を使用しているのです。





原作ではそんな「聞き書き」スタイルを

充分感じながら、読むことができますよ。





というわけで、もしあなたが

テレビの「輪違屋糸里」をご覧になっていて、

画面を見ながら私のように、ツッコミをかなりやっていたのなら、

一度原作を読んでみるといいかもしれません。





それで、少しはツッコミの部分が

解消されるのではないかと思います



輪違屋糸里
浅田次郎著/文春文庫



rwn3.bana
歴史ブログ 幕末・明治維新
お楽しみ頂けましたら
文字をクリック願います。
ブログランキング参加中!
あなたの応援が私の励みです!
              多摩人(たまびと)漫遊記 トップページに戻る

「「輪違屋糸里」を読みました」を読んだ人はこんな記事も読んでいます
歳三からの伝言 (2009/06/20)
池田屋跡、その前は何屋さん? (2010/11/29)
土方歳三の日記 (2007/03/12)

この記事に対するコメント

いいでしょう(^^)

やっぱり原作はいいでしょう^^
テレビの突っ込みどころも解消されたようで何よりでした。
ドラマはムリありましたが、お梅さんはよかったと思ってます。
また新撰組ものを書いてもらいたいですねぇ。

私、テレビの方を見てないんですよねー(´`)
逆にドラマの方が気になります(笑)

私の様な未熟者が浅田さんの作品を読んでも、一回だけじゃ意味が良く分からないんですよね(^^;)
3回位読んで「なるほど」って思います…^^

お梅さん

味のりさん こんにちは^^

味のりさんは、TVドラマの時には
既に原作を読み終えていたんでしたよね。
私もやっと読みました。

この本でのお梅さんは、ひたむきに生きているところがよかったですよね。
最期は哀れでしたけど。
でも前川夫人のお勝さんに理解してもらえたのがなによりの救いです。

原作

るなさん こんにちは^^

原作を読んでいるなら、それで充分だと思いますよ。
それより、3回も読んだのですか?(スゴイ)
私もまたしばらくしたら、読んでみることにしますね♪

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する