春の草(^^)春の鶯

  • 2010/03/22(月) 21:40:00

いつものように

「土方歳三資料館日記」を拝見していたところ

興味深い記事がありました。





「春の草五色までは覚えけり」


という土方さんの句ですが、

それがじつは





「春の鶯 五色までは覚えけり」


という句かもしれないという記事です

詳しくは ⇒ 土方歳三資料館日記





古文書の研究家の方が

土方さんの「草」の崩し字が「鶯」の文字のほうに

はるかに似ているというのです。






ブログに記載された土方さんの「草」の字は、

確かに「鶯(うぐいす)」に似ていますね






ブログによれば、うぐいすには七色の声があり、

それをうぐいすは、ひとつひとつマスターしてくのだとか。

土方さんは、その声を聞きながら

「ああ、このうぐいすはもう五色まで覚え

 もうすぐ七色を覚えるんだな〜」


と感慨深く思っている、という句なのだそうです。





この解釈は土方さんの情感までが察せられて、

「七草をやっと5種類覚えた」
という句よりは

風情がありますよね

なるほど〜と、私も記事を見ながら思ったものです。





あれ?でも少し気になることが…





古文書学的には納得しますけど、

俳諧的にはどうなんでしょうね?





俳諧の専門家ではないので、

もちろんよくはわかりませんけど、

素人だからこそ、気になることがあります。





例えば「春」「鶯(うぐいす)」の文字。




そもそも「鶯(うぐいす)」というのは、春の季語のはず。

それなのに初句で「春」と「鶯(うぐいす)」を並べるのは、

くどい気がします。

それなら「うぐいすや」で収めたほうが、

すっきりすると思うんですね。






(あっ、そういえば余談ですが、

 土方さんの句にはもうひとつ

 「うぐいすやはたきの音もつひやめる」

 というのがありましたね。




 あのうぐいすの字が漢字だったら

 「草」の字と比較できたんですけどね。

 あれはひらがなでした








また例えば「春の鶯」の読み方。

「はるのおう」と読めば5音ですけど、

「はるのうぐいす」ですと7音で、

あきらかに字余りですね。(どっち読み?)






土方さんの発句集を見てみると、

例の「しれば迷い…」の句以外、すべてがきちんと

「五 七 五」の定型になっているように見受けられます。

ならば「おう」読みが正しいのでしょうか?

でもしっくりくるのは「うぐいす」読みですよね。





もし「うぐいす」読みですと、(しれば…を抜かして)この句だけ

字余りで作ったことになります。

この句だけなぜ字余りで作ったのでしょうか?






ここで再び「春の草五色までは覚えけり」

の解釈をしてみましょう。

参考書籍は管宗次氏の「俳遊の人 土方歳三」です。

管宗次氏は、とある大学の日本文学の教授です。






ここでいう「覚えけり」の「覚ゆ」は

「思われる・わかる」の意味にあたり、

「七草摘みに出て5種類は見つける(わかる)ことができたが、

 あとの2種が見当たらないな〜」
と解釈できるというのです。






土方さんが七草摘みをしたかどうかはわかりませんけど、

この解釈なら、それなりに風情があると思いませんか?






「春の草」「春の鶯」どちらも趣があって、

土方さんの若き頃(日野時代)を感じられる句で

いいですよね。






ひとつの句でもこうして考察してみると奥深くて、

まだまだ新選組(土方さん)への興味は尽きません。

今回「鶯」の記事を拝見して、いろいろ気付くことができました。

「土方歳三資料館日記」さん、どうもありがとうございます




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この記事に対するコメント

定型句ですと字あまり、草書の連綿体ですと草にも見えますよね。どちらの解釈にしても春ののどかさを詠い、甲乙つけがたい風流を醸し出す句ですね。

春ののどかさ

早々さん、こんばんは^^

土方さんの春の句は、これからの季節に重なって、
よりリアルに情景が浮かんできますよね。

土方さんの句は巷では愚作とも言われていますが^^;
素直に表現されているところが、私は大好きです♪

はじめまして。

「総司忌」のことを調べていてこのブログにたどり着いたのですが、かなり興味深く楽しく拝見させて頂きました。

ぜひこれから隅々まで読ませて頂きたいと思っております。

私は今まで海外暮らしが長く、最近やっと東京に戻ってこれたばかり。
新撰組ゆかりの地をこれからゆっくりと、私も散策などしていきたいと思っております。

これからもブログの更新を楽しみにしています。

「土方歳三資料館日記」さんの記事

私も大変興味深く拝見しました。
今まで、土方さんの字と活字を照らし合わせたことなどなかったので、
今回初めてじっくり見て、なるほど確かに「鶯」の方が自然だなあと感じました。
二画目にきっちり点を書いているところなど、草冠の崩しではないような気はします。

それにこの句、土方さんが七草を覚えられないなんて変だな、とか、
なぜ草の種類を「五色」としたのかな、とか疑問があったので
「鶯」の方が納得できる気もします。
ルンちゃんの仰るように「春」と「鶯」を並べたのは私もくどいと思いました。
でも、たまたま市政35周年記念企画展「日野新選組展」図録を読んでいたら、
豊玉発句集の解説に「季重ねの句も多く、これは現代人とは異なる江戸時代の人の
おおらかさが出ているといえよう。」などとあったので、
そんなにおかしいことではないかもと思いました。

それと読み方も「うぐいす」ではなくてルンちゃんも考えられた
「おう」かも知れないと。
それは「うぐいすやはたきの音も〜」の句がひらがなを使っているから。
なので、今回のこの句も「うぐいす」と読ませるならひらがなにするのではないか。
けれど「うぐいす」では字余りなので「おう」と読ませる為、
わざと漢字を使ったのかもしれないなんて思ったんです。

私一人の勝手な想像に過ぎませんけど、ちょっと考えすぎかな。
でも、一句に込めた土方さんの思いを想像するのも楽しいですね。
長々と失礼しました。

かなり怪しい記憶での仮設ですが…、
うぐいすの声、ゴールデンウィーク(旧暦の夏?)頃に山間部で、ホーホケキョときっちり鳴いているのを聞いたような気がします。
同時に、今の暦でも春に里でホーホケキョを聞いた機会は案外多くないように思います。
そこで仮設ですが、旧暦の春、里ではまだやっと5色の声だったのでは?。そこであえて「春の鴬」とした可能性も?。もしホーホケキョではないうぐいすの鳴き声を5種類聞き分けていたとしたら、土方さんの自然に対する興味もかなり深い気がします。初めての土地で地の利を生かした戦上手と合わせると、マルチタレントの人というイメージになります。買い被りかも知れませんが…?!。

はじめまして

はるかさん、はじめまして。
ようこそいらっしゃいました^^

海外から戻ってご覧になった東京は如何ですか?
昔に比べてだいぶ風景も様変わりしたと思われますが、
新選組の史跡を散策しながら、また新たな日本の再発見などできると楽しそうですね^^

多摩地域の史跡のご紹介はこれからも行っていく予定ですので、
またどうぞ遊びに来て下さい。
これからもよろしくお願いします。

季重なり三重^^;

紫蝶さん、こんばんは^^
コメントありがとうございます。

「おもしろき夜着の列や今朝の雪」
「朧ともいわで春立としのうち」
これらが土方さんの季重なりの句ですね。
夜着=雪→冬  朧=春立→春 でそれぞれ
(二句と結句)  (初句と二句)に入っています。
この季重なりは紫蝶さんの仰る通り、江戸時代のおおらかさというか、
土方さんらしいという感じもする句ですよね。

一方「春の鶯」ですと、初句に春と鶯の両方が入っています。
つまり、季重なりだけでもクドイのに
「初っ端」から「季節ダブらせ」、しかも「同じ初句の中」は
三重のクドさが感じられるようで、大変気になったわけです^^;

先にご紹介した管先生の「俳遊の人・土方歳三」によれば
幕末(というか江戸時代)の俳諧は、人を集めて宗匠を囲み
点をつけてもらうのが一般的だったとか。
歳さんがそうしたかはわかりませんけど、
周囲に長兄や佐藤彦五郎さんら風流人がいたのですから、
少なからず評価はしてもらっていたように思われます。
それならこのクドさは、添削の対象になったのではないでしょうか?

ましてや「発句集」はそれらで評価の良かったものなどを
集めておくらしいので、俳諧的には「春の鶯」より
「春の草」の方がさっぱりするようにも思えるのです。
(あくまでも私の考察ですが)

などと考えると、本当に一句だけでも奥深いです^^

って、私も文が長くなってしまいました〜^^;

うぐいすの声

允@遊撃隊さん、こんばんは^^
なるほど〜、そうもいえますね。

うぐいすは本州中部あたりですと、2月上旬から8月下旬くらいまで鳴いているそうですよ。
私もウォーキングの時に聞いたことがあります。

あの「ホーホケキョ」のさえずりは繁殖期によく聞かれ、生殖ホルモンによるものだとか。
2月の頃はまだそのホルモンがあまり分泌されていないのでうまくさえずれないようですが、分泌が活性化されるとともに上手にさえずるようになるみたいです。

そう考えると、允@遊撃隊さんの仮説が
真実味を帯びてきますね^^
う〜ん。土方歳三さんに直接会えるものなら、会ってその辺りを確かめてみたいものです。

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