太宰治のえがく新選組

  • 2012/11/28(水) 00:12:07

「津軽」や「斜陽」「人間失格」の著者といえば 太宰治ですね。

彼の作品「走れメロス」は、中学の教科書にも載っていて、

知名度は かなり高いですよね





その太宰治が書いた、新選組を題材とした小説があるのです。

虎徹宵話 (こてつしょうわ)
という題名ですけど、知っていましたか?





物語は鳥羽伏見の戦いに敗れ、

旧幕府軍が江戸に戻ってきた頃のお話です。

新選組も他の旧幕府軍と同様に江戸に引き上げ、ただ今潜伏中。






ひとりの新選組隊士らしい男が、田舎の茶屋の中で、

店の女将とさし向かい、なにやら話をしている様子。





でも、その男の話すことといったら、

始終、愚痴ばかり…






羽振りの良かった京都時代から一転し、追われる立場となった我が身。

「時勢」に抗うよりも、その憤懣とこれからの不安に嘆く

男の姿がそこにありました。





新選組隊士が登場するのは、その1人だけなんですけど、

登場から退場まで、ずーッと愚痴ばかりなので、

茶屋の女将さんじゃなくても、ムッときます






でもチョッと視点を変えてみると、違った面が見えてくる。






自分の信念(=正義)とする新選組やその世界が、

ほんの短い時間のうちに否定され、その立場さえ逆転させられ、

逆賊の汚名を着せられた無念や憤りを考えると、

「この男の気持もわからなくもないかな…」

と思えてくるのです。





15ページほどの短編小説で、あまりにも短いので、

こんな風に読み方を変えて、繰り返し読んでみると、

これはこれで面白いもんですね





名もない新選組隊士の話ですけど、

この男が近藤勇のようにも思えてくるし。






そして驚くことには、太宰がこの小説を書いたのが、

弘前高等学校時代なんですよね

まだ「太宰治」として執筆する前、初期の頃の作品なんですよ。





まだ学生なのに、こんな大人顔負けの描写の小説が書けるなんて!

当時の学生が皆スゴかったのか、それとも太宰治だからスゴイのか。

その辺りは文学に疎い私なので、判断はつきかねますけど、

『有名作家さんが描く新選組』ということで、

今回も楽しませていただきました





あなたも、もし読んでみたいと思ったなら、

新潮文庫の「地図」に載っていますので、

何かの機会に読んでみて下さいね。

地図 [ 太宰治 ]
初期の頃の太宰の作品集。
この中に「虎徹宵話」も載っています^^


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この記事に対するコメント

面白そうです!

こんばんは!
コメントはお久しぶりです^^
太宰治、教科書でしか読んだことがありません(笑)
新選組の話なんてあるんですね、びっくりです。
すごく興味があるので早速探して読んでみたいと思います。
いつも素敵な作品を紹介してくださり、ありがとうございます!

短編

凰花さん、こんばんは^^
ご無沙汰しています。

太宰治の新選組物語は、本当に短いです。すぐに読めてしまいます。

もしかしたら、あまりにもあっけなく思えてしまうかもしれません。
でも、この本に収録されている作品はとても読み応えのあるものですので、機会があったら読んで楽しんでみて下さいね。

またお役立ち情報があったら、お伝えしますね^^

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