ガルトネル事件

  • 2013/09/16(月) 23:27:12


あまり知られていないのですが、幕末から明治にかけて、

箱館では、ある出来事がありました。





それは「ガルトネル事件」 と呼ばれるものです





そもそもの発端は、江戸幕府がまだ存在していた頃に遡ります。

当時の箱館奉行・杉浦兵庫頭は、この箱館に

本格的な西洋式の農場を作りたいと考えました。

そこで箱館に駐在するプロイセン(ドイツ)の副領事の

ガルトネルに話を持ちかけるのです。





それはうまい具合に進み、

ガルトネルの兄が箱館近郊の土地の開拓の許可を得て、

その事業に着手することとなりました。





ところがその刹那、江戸幕府が瓦解してしまいます。

話は一度白紙に戻りますが、ガルトネル兄弟は

新政府が設けた箱館府に、改めて許可を得ることにしました。





許可を得たガルトネル兄弟は事業を始め(主に兄による)、

母国から取り寄せた苗木を植え、育て始めるのです。

しかしその開拓の途中、今度は旧幕府軍(榎本武揚ら)がやって来たのです。





旧幕府軍によって占拠された箱館。

ガルトネル兄弟は、あらためて旧幕府軍と交渉したのですよね。





…こうして利権者が次々と変わり、

最終的に箱館戦争が終わったときには、

話は伝言ゲーム(?)のような状態になり、

日本としては、ある困った事態が起こっていたんですよ





そのため新政府(明治政府)は、この事件で

後に多大な損害をこうむることになるのです。





もっとも永い目でみれば、これくらいの損害で済んで

よかったといえるかもしれません。もしかしたら、今頃

日本地図が変わっていたかもしれないくらいの話なんですから





この話を私が知ったとき、「本当の話かな?」

なんて半信半疑でもありました。だってこんな大変な事件なら、

もう少し世間に知られていてもいいはずですからね。





でも実際に箱館で被害を受けた人々もいたようですし、

現在の函館には「ガルトネル・ブナ保護林」という名なども

残っているのですから、やはり事実だったんでしょうね。

今度函館に行くときには、私もこれらの場所に足を運んでみたいです





ところで、この「ガルトネル事件」なんですけど、

この事件を題材にした小説というものが、巷に出回っているんですよ。

しかもそこには、土方歳三も登場しているんですよね





箱館売ります(上)(下) [ 富樫倫太郎 ]




中公文庫の本ですよ

副題は 〜土方歳三 蝦夷血風録〜 です。

といっても、彼が主人公というわけでもありません。

登場も上巻の後半からなので、最初から彼の活躍を期待していると

物足りなく感じるかもしれませんけど…





その土方歳三が、ガルトネル事件に関わってくるのですよ

どう関わってくるかは小説を読んだときのお楽しみとしますけど、

下巻で土方歳三の活躍する場面が味わえます。





著者の富樫倫太郎氏は、

箱館戦争についてもよくご存知のようですね。





箱館戦争について詳しい人なら知っている

斎藤順三郎(実在の新政府秘密工作員)という人物と、

土方歳三とを絡ませていたところは、「へー、そうくるんだ」

っていう感じで、楽しませていただきましたよ。





もちろんこれは小説(フィクション)なので、

全部が真実というわけではありません。それでも、

ガルトネル事件がどんなものだったのかは、

この本でよくわかるので、興味があるようでしたら

読んでみて下さいね。





ちなみに富樫倫太郎氏には、

函館戦争(=土方歳三)を描いた作品が、三部あるんですよ。

そのうちの1作が、この「箱館売ります」なんですが、

他の2作も面白い物語なので、またの機会にお話したいと思います

  
箱館売ります(上)  (下) [ 富樫倫太郎 ]
上巻の方の表紙は、たぶん土方さんです^^



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この記事に対するコメント

たいへん読み応えがありました!

面白い

ティチャイチャイさんもお読みになりましたか。
私も面白かったので、あっという間に
読んでしまいました。

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