早乙女貢先生と小説・沖田総司

  • 2009/01/30(金) 11:16:11

ご存知の方も多いと思いますが、

昨年の暮れ、作家の早乙女貢氏が他界されました。

もう、1ヶ月余り経ちますよね。⇒ 日刊スポーツ




早乙女貢先生は、ご自身が会津の血を引く方であり、

敗者からの視点
で書かれた小説を、数多く執筆なさっていました。





特に会津藩を舞台にした「会津士魂」は、

彼の思いが充分に注がれた長編小説であり、

読まれた方の心の中にも、会津藩の思いが

胸いっぱいに満ちたことと思います。





早乙女先生の講演を拝聴したことがありますが、

歴史に埋もれてしまった「敗者の真実」の部分


講演会に来たすべての人に知ってもらおうと、熱弁されていました。





1時間半のお話でしたけど、

「5時間くらいしゃべりたい!」


とてもパワフルでいらっしゃいましたね。





時には過激な言葉も出ましたが、

新選組びいきの私には、それがとても小気味いい♪


たぶん、同じように思っていた方も多かったでしょう。




毎年会津で開催される「会津藩侯行列」では、

毎回、家老の西郷頼母役に扮し、

颯爽(さっそう)と馬に乗り、行進していらっしゃいました。




……もう、あのお姿を見られないのが寂しいです




早乙女貢先生は、新選組を題材にした小説も

いくつか執筆されています。

そのひとつがこちらです。



沖田総司
早乙女貢/講談社




沖田総司が主人公の小説です。

ここに登場する沖田は、多感な青年であり、

背が高く、細見で、若い女性に一目置かれる美男に描かれています。





また聡明で、揉め事があると

その人柄と判断力で、見事解決してしまうという、

このうえない好人物に書かれていますよ。





早乙女先生の描く小説は、先ほども話したとおり

敗者からの視点で書かれています。

この小説も同様で、

勝者によって曲げられた事柄について、

真っ向から斬りつけます。





新選組を通して、隠された真実を

正しく読者に知らせようといしてるのが、

痛いほどわかるんですね。





この沖田には、3人の女性が関わっています。

一人は、江戸で偶然助けることになった少女、おりえ

一人は、京で知り合う町医者の娘、お奈美

そしてもうひとりは、病の夫の薬代欲しさに

過激浪士の連絡係を請け負う、たまき




沖田の運命に少なからず影響をあたえる、この美女3人が、

沖田を題材にした小説にはめずらしく

いろどりを添えています。





近藤勇は無骨者で誠実ながら、一面では野心もある男。

土方は美男ながら、冷徹な面を持つ人物。

その中で沖田は聡明で、

一番分別があるように描かれています。





でも早乙女先生の中では、

それぞれの性格がうまくマッチして、

あの新選組にはなくてはならないもの

として扱われているようです。





特に沖田総司の存在は、

新選組を内面的にまとめている
という書かれ方で、

彼が病によってその新選組の場からいなくなることが

新選組自体の崩壊の原因だったとしている解釈は、

極端ながら面白い解釈だとも思えます。





面白い解釈といえば、

「試衛館」のことも「誠衛館」と書かれています。





最近はあまり聞かなくなりましたが

「試衛館」は「誠衛館」ではなかったか?

という説もあるんです。

漢字の意味を考えても、「誠衛館」の方が

正しいのじゃないかという説です。





この小説が発表された頃にはその説も出ていたので、

先生もそれを小説に取り上げたのでしょう。




先生の小説は敗者の代弁をしているようで、

それが楽しく、またうれしかったのですが、

もう新しい小説を読むことができないのが、

本当に残念です。





もしあなたが早乙女貢先生の本を読むことがあるのなら、

「敗者の真実」を代弁する、先生の心を感じてみて下さい。





大好きだった早乙女貢先生、

ステキな本をありがとうございます。

ご冥福をお祈り申しあげます。


早乙女貢氏の本


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この記事に対するコメント

はじめまして、新撰組の専門ブログですか、ドラマチックを感じますね。沖田総司は、幕末の一番池面かアイドルでしょう。

はじめまして

sisiさん、はじめまして
こんばんは^^

はい、ほとんど新選組専門でやってます♪
本物の沖田さんは、たぶんイケメンじゃなかったとは思いますが、
剣の腕も含めて、魅力的な人だったと思っています。

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